特捜部Q カルテ番号64バハールの涙

2019年01月26日

家(うち)へ帰ろう

目次

家(うち)へ帰ろう
El ultimo traje

2017年スペイン・アルゼンチン
監督 : パブロ・ソラルス

家へ帰ろう

頑固で偏屈なおじいさんが、70年間音信普通の友人に会いにアルゼンチンからポーランドへ旅する、ロードムービー。
旅の途中で多くの人と関わり合い、助けたり助けられたりしていく様子に、心が温まりました。

旅するおじいさんアブラハム (ミゲル・アンヘル・ソラ) の仕事は仕立て屋で、旅の最中もスーツをばっちり着こなしていておしゃれでした。
私は旅のときは (も) 楽さ最優先でもっさり。見習おう

以下ネタバレ含みます

アブラハムおじいさんはユダヤ人で、第二次大戦中強制収容所に収容されていたことがあり、旅の目的は当時自分を助けてくれた友人との約束を果たす為、というヘビーな背景があります。

フランスから陸路でポーランドに移動するのですが、その際ドイツで乗り換えなくてはならず、ドイツに足を着けたくない!と主張します。
そのとき、フランスで知り合ったドイツ人女性の知恵で、ドイツの駅のホームにその女性の服をレッドカーペットのように敷き駅に降り立ちます。
その後その女性に、第二次大戦中に家族が受けた仕打ちを語ります。
話終わってアブラハムおじいさんはすっきりとした表情で、ドイツの駅に足を下ろします。
その様子を見て、アブラハムおじいさんは過去の話をしているうちに旅の大きな目的を改めて認識し、目的を果たす覚悟を決め意地を捨てたのかな、と思いました。
だからラストで奇跡的に友人と再会出来たシーンには感極まりました。

印象的だったのが、飛行機やRenfeが映るシーンがすごく高速に描かれていたところ。
後半でアブラハムおじいさんが死の行進から逃げた話をします。
徒歩で飢えに苦しみながら、命からがらの状態で実家に戻ったと。
それと比べ、現在は安全に素早く南米からヨーロッパに飛んで行けて、そういう変化をアブラハムおじいさんがどう感じたかは、計り知れないです。
それでもその変化を体感したことは、アブラハムおじいさんがずっと苦しんできた、現在進行形の過去を、本当に過去のことだと感じられるきっかけになったんじゃないかしら。

気になったところとして、マドリードに住む娘さん。
腕に囚人番号のような数字のタトゥーがあったようだけど、どういう意味なんだろう?
それから娘さんと、あの後ちゃんと仲直り出来てると良いのですが。。。

鑑賞後、この物語は実話をベースにしていることを知りました。
まさに奇跡






hamoyama at 00:00│Comments(0)映画 | あ行

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